ここまででJ-REITの特徴、リスク、分類が分かりました。では実際投資法人はどうやって物件を運用しているのでしょうか?
最初のページにこの図がありました。この図を詳細に説明していくと、運用方法が見えてきます。
投資法人はペーパーカンパニーと書いてあります。
執行役員が1人以上、監査役が2人以上のみです。従業員を雇ってはいけないことになっています。投資法人は実際の運営は委託しているので、重要なのは資産運用会社でありそこに属するファンドマネージャーということになります。
資産運用会社は大きく下記の3つの部署から成り立っています。
1.不動産投資部
不動産市場の調査、新規物件の購入・保有物件の売却など、最も重要な業務を行っています。ここがしっかりしないと、配当金はもらえません。
2.不動産運用部
忘れがちなのがこの部署です。ビルをきれいにし、保守・防災管理をしっかりしておけば、テナントがいなくなるということもありません。またリニューアルや修繕も同様です。
実際の管理運営については、プロパティマネジメント(PM)会社に更に業務委託します。資産運用会社がPM会社を選別するわけですが、この選別も重要になってきます。日々のメンテナンスはとても重要です。
3.投資家向けに情報提供する部署
運用会社の組織図は配当金と一緒に送られてくる資産運用報告書に掲載されています。またホームページでも確認できます。
J-REITの内部成長・外部成長
ひとつ上のテーマを別の言い方で表すと、下記になります。
1.内部成長(不動産運用部)
持っている物件の中で(内部で)成長させること
・稼働率を向上させ、空室を減らす
・優れたPM社を選定して、コスト削減を徹底させ経費削減
・賃料値上げ・大手テナントの誘致による賃料UPなど
2.外部成長(不動産投資部)
新規にオフィスビル・住居・商業施設などを取得して、資産規模を拡大させていくこと
・資産拡大することでリスクが分散され、ヘッジできる
・PM社との取引が増えるので、さらなるコスト削減へ踏み出せる
・内部成長には限度があるが、外部成長には限度がない
いかがでしたか?資産運用会社の運用ひとつで、わたしたちの分配金は大きく変動します。1つの資産運用会社が3つのREITを運営しているケースもあり、REIT銘柄を選ぶひとつのポイントと言えます。